金色ラブリッチェ Golden Time 発売記念 金色ラブリッチェ紹介記事
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ここのところさっさと一人暮らしに戻りたいという思いしかない保坂新です。
未だにさくら、もゆ。から心が帰ってきていないもののもう月末ですよ、はい。
また新作の発売日です。
今月は結構たくさんの注目作があると思います。
イブニクル2
はぴねす2
夢と色でできている
スワローテイル
SPIRAL!
ネコガミ様と、ななつぼし
僕の未来は、恋と課金と。
ギルドマスター
アイベヤ
社長令嬢セレクション
抜きゲー以外でもかなりの注目作があります。
その中でも最も注目されているといっても過言ではないのが今作!
金色ラブリッチェ Golden Time!
2017年12月に発売され、多くの賞を受賞した前作金色ラブリッチェのFDです。
SAGAPLANETSはここまでFDを発売したことは2001年にたった一度だけでした。
しかし独立や流通の変更といった諸事情が重なったためなのか金色ラブリッチェのあまりの反響の大きさ故なのか不明ではありますが異例のFD発売となりました。
今回はそんな金色ラブリッチェ応援企画として前作金色ラブリッチェの紹介をしていきましょう!
紹介されなくても知ってる?知るか!
では早速金色ラブリッチェとは?
未来の紳士淑女を作る場所である、私立ノーブル学園。教養だけでなく品格を学ぶための全寮制の学園である。学園では今年は王族が来たとのことで例年にない緊張感を帯びていた。主人公・市松央路は、思いがけないことからお姫様に気に入られ、学園に叩き込まれた。しかし空き部屋の関係で女子寮の端に押し込まれてしまった。
SAGAPLANETSは2009年に発売されたナツユメナギサから台頭し始めたKeyと同じVisual Art's系列のブランドで、代表作と言えばはつゆきさくらといった作品が含まれる四季シリーズでした。しかしこのシリーズで主にライターとして活躍していた新島夕氏が2012年にはつゆきさくら発売後に退社し、その後の作品に関しては少し低迷気味でした。
そんな中発表された今作のコンセプトはなんと「金髪オンリー」!
発表当初の評価としては地雷臭がするといった評価が多く、またヒロインの一人である僧間理亜の喫煙といった要素から警戒されていたことが事実として存在しました。
私自身は後追いではありましたが、OPからのキャラゲー臭や属性特化ゲーといった要素から警戒し、買うのを躊躇していたことが事実としてあります。
こうした要素から前作よりも出荷数が絞られていたのではないかと言われることもあり、あまり期待されていませんでした。
しかし、シナリオライターであるさかき傘氏の存在から名作であると予想していた方も多かったとのことです。
このさかき傘氏は元々18禁ラノベ書かれており、2011年につよきす3学期でエロゲ業界に参入し、ひこうき雲の向こう側といった名作を世に出しているライターです。
今作のソルティレージュという国自体さかき傘氏の小説家時代に書いた双子姫のカノンシリーズから流用したものであったりします。
そして蓋を開けてみると2017年を代表する傑作として名を馳せることになりました。
ではどうしてこのような評価になっていったのか?
ポイントは二つあると思います。
まず一つ目、コメディ色に強いキャラゲーであること。
SAGAPLANETSの強みとしてほんたにかなえ先生ととらのすけ先生といった2人のメインで原画をされている原画家が所属しており、いわゆる看板絵師としてSAGAPLANETSを支えていたという部分があります。
この部分を活かすように作中での日常シーンはコメディ調の部分が多くなっています。
またぴこぴこぐらむ先生をSD原画として起用し、日常パートの多くの活用しており、コミカルなパートに一躍買っていると思われます。
これらのコミカルな日常描写はキャラクター達への愛着を深めるという面では非常に重要でキャラゲーの肝となる部分です。
この部分はげっちゅ屋での美少女ゲーム大賞2017でも大きく評価されていることがわかり、キャラクター部門において1位僧間理亜、3位シルヴィア・ル・クルスクラウン、6位マリア・ビショップ、14位妃玲奈といった面々がランクインしていることからもうかがえ知ることができるのではないでしょうか?
では二つ目、それはキャラクター達の人生観に重きを置いたシナリオゲーとしての側面が存在すること。
さかき傘氏の代表作であるひこうき雲の向こう側では各キャラクター達の恋愛観という部分にスポットライトを当てることで高い評価を得ました。
そして今作では「カッコいいとは?」という部分にスポットライトを当てて物語を書き上げています。
個別ルートではその側面がさらに強くなり、とりわけ理亜とシルヴィに関してはそのカッコよくあろうとする部分は作中でも大きな意味を持ち、作品が評価される一番の起因となったオーラスルートであるGolden Timeでは主人公を含めた三人の物語であると言えるだけのものとなっています。
ここで挙げてきた二つのポイントは実は両立が難しい部分があります。
キャラクター達をコミカルに動かすためにシリアスな描写は入れにくく、逆にシリアスな描写を入れることでヒロインの魅力を描き切ることが難しくなります。このバランスを上手く扱い切ったのが今作と言えるのではないでしょうか?
失敗した場合、シリアスな描写は無駄シリアスと称されてしまうリスクが、コミカルな描写に特化しすぎると似たり寄ったりな作品になってしまう可能性がありますが、シナリオの緩急の付け方も今作の大きな評価点ではないでしょうか?
また音楽に関してもコミカルな音楽と聴かせるための音楽がバランス良く配置されています。是非この部分にも注目してみてください。
以上のような物語構成になっていますが、最初は地雷と思われていたにも関わらずこれほどまでの評価を得ることができたのは三人の人生観によるものです。コミカルに描かれた日常に隠れたある人物の想いや哲学、そしてその物語にたどり着くまでに生まれた愛着を爆発させる瞬間が今作にはあります。
この部分に関してはネタバレになるので多くは語ることができませんが是非彼らの生き様を最後まで見てあげてください。
いかがでしょうか?
どうせやっているから知ってはいるでしょうが…
これを機に手に取っていただけるなら書いた私としても幸いです。
実はFDを製作するにあたってさかき傘氏が一度断ったことが本人の口から語られています。
その理由に関してはプレイした方ならわかる通り今作で完璧に完成しているからだと思われます。このためFDはどうなるのかという心配の声も多いのが事実であり、いい意味でも悪い意味でも予想がつかないのが現状です。
しかし体験版である人物が流した涙、この部分に私は賭けています。
「ファンディスクのファンは「楽しむ」のファンである」
この言葉に期待を込めて2/22を待ちたいと思います。