エロゲ普及講座 第一回 エロゲって何さ？
4月です！
新生活が始まって四苦八苦している方も多いのではないでしょうか？
私も今年から新入社員として必死に働いている日々です。
さてそんな新生活の中新しい趣味を始めようとしている人も多いのではないでしょうか？
スポーツや旅…アウトドアに限らずインドアなものもいいでしょう。
その中でエロゲを趣味にしようとしている人もいるのでは…と少し期待しています。
確かに斜陽なコンテンツではありますが熱意のある作り手は今もなおいますし、ユーザーの中には強い熱意を持った人も多くいるコンテンツです。
しかし、何から始めればいいかわからない…そんな人も多いのではないでしょうか。
今回は数記事ではそんな人のためにエロゲとは何か？そしてどこでどのように作品を選べばいいかを書いていこうと思います。
この記事を読んでこのコンテンツに入っていただけるのなら非常に嬉しく思います。
今回は前提であるエロゲとは何かについてお話していこうと思います。
1.エロゲとは?
まずはエロゲとは何か？この部分についてお話していこうと思います。
エロゲとは?Wikipediaでは正式名称であるアダルトゲームという記事でこのように説明されています。
アダルトゲームまたはエロゲ（英: Eroge または Porn game、和製英語：adult game）とは、ハードコアな性的表現を好まない者や判断能力に劣る子供がプレーするには適さない『性的な表現』が含まれるコンピューターゲームのことである。東京都青少年の健全な育成に関する条例においては、「電磁的記録媒体に記録されたプログラムを電子計算機等を用いて実行することにより、人に卑わいな行為を擬似的に体験させるもの」がこれにあたるとされており、他の地方公共団体の「青少年保護育成条例」においても、ほぼ同様の定義がなされている。
このように所謂Hシーンといったものが作中に盛り込まれているものがアダルトゲーム、通称エロゲと呼ばれています。
またこのエロゲにも近年のソーシャルゲームの発展により18禁ソーシャルゲーム、いわゆるエロソシャゲという物も生まれ、主にDMMGAMES.R18などで配信されています。
有名な例としては
神姫PROJECT R
千年戦争アイギス R
あいりすミスティリア! R
FLOWER NIGHT GIRL
これらの作品が挙げられると思います。
エロソシャゲのポイントとして一つ挙げられるのはGoogle playやApp storeから直接アプリをダウンロードができない点でしょうか。このため外部からのダウンロードができないiOSの場合はプレイできるのは全年齢のみとなっており、ブラウザゲームのようにプレイすることになる場合が多くなります。
またゲーム性やシナリオに関しては一般のソシャゲとほぼ同じと考えてもらっても構わないと思います。作中にHシーンが入っているだけで普通のソシャゲ、これがエロソシャゲです。
しかし一般的に言われるエロゲとはこれらのことは指しません。PCにソフトウェアをインストールしてプレイする、エロソシャゲと対比的に言うとしたらエロPCゲームという物が一般的なエロゲです。
このためプレイにはPCゲームは必須となってきます。また現在はDMM.comやDLsiteといったDL販売を行っているサイトも存在しますが、多くの場合ディスクによるインストールに依存しているためディスクドライブが必要になってきます。
この辺りのプレイ環境を整えるという部分も新規のプレイヤーが入ってくることを妨げている部分であったりします。また近年演出や3Dモデルによるキャラクター表示といった高いプレイ環境を要求してくる場合も存在するためプレイする際にはスペックの確認もお勧めします。
ではこんなエロゲではありますが、実際どのようなものがあるか見ていきましょう。
2.エロゲの種類
まず一番最初に明確にしておく必要があるのはエロゲは包括的なジャンルであるということです。
一概的にエロゲと言ってもその中にはさまざまな種類があります。
例えば老舗であるアリスソフトやエウシュリーが得意とするRPGやシュミレーションといった部分に力を入れたゲーム
現在は戯画から発売された完結済みではありますが未だに根強い人気を誇るバルドシリーズに代表されるアクションゲーム
カスタムキャストの大本であるカスタムメイドや昨年度大きな話題となったコイカツといった作品に代表されるキャラクターメイキングに特化したゲーム
このように様々なジャンルがエロゲというジャンルの中には含まれています。その中でも最も多いのがノベルゲームという形式です。
ビジュアルノベルは、電子画面上で読む小説であり、画面に表示される文章に絵や映像、音、選択肢、画面効果などを加えたものである。文章単体で読まず、絵と音の存在を前提とする点、各自の体裁を持ち規格化されていない点などで、電子書籍とは異なる。
このジャンルはゲーム性がほとんどなく、主に小説を読むような感覚でプレイされると考えてもらった方がいいと思います。ポイントとしては音楽と絵、シナリオ、この3つの総合力で評価されることが多いという点だと思います。
このため紙芝居と揶揄される場合が多いのですが、これらのゲームはシナリオを読むことに特化しているゲームであるということに留意することが重要です。もし紙芝居以外の作品をやりたいと思うのならば前述のブランドから選ぶことをお勧めします。
今回はエロゲの主戦場であるノベルゲームに焦点を当てていきます。
3.ノベルゲームって何さ？
先ほど簡単にノベルゲームについて説明させていただきましたが、今回は少し詳細に説明させていただきます。
ノベルゲーム、場合によってはビジュアルノベルと呼ばれるジャンルは一般ゲームにも多く存在します。
有名な例としては「かまいたちの夜」や「STEINS;GATE」が挙げられると思います。
また元々はエロゲメーカーであったKeyから発売された「Summer Pockets」もありますし、中にはHシーンを削除してCSゲームに移植した作品も多く存在します。
これらの作品を一つでもプレイされたことがある方はご存知だと思いますが、物語はプレイヤーの選択肢によって分岐していき、大きく結末が変化していきます。このため様々な可能性の世界を描写することが可能であり、その存在を前提とすることで物語の完成度を上げている作品も多く存在しています。これがノベルゲームの長所の第一点目です。
そして第二点目は音楽、絵、シナリオの3つをうまく組み合わせた演出が可能となっている点です。ノベルゲームは紙芝居と揶揄されていますが、それにしかできない演出も多くあります。アニメでは視覚が大前提として存在しているためキャラクターの表情を隠すことができないという欠点や長時間にわたる場合費用的に製作が不可能といったが存在しますし、小説や漫画では音楽による演出の難しさ、動の表現の困難さといった部分が存在します。ノベルゲームではこれらの欠点を解消することが比較的たやすく、アニメのような動的コンテンツと小説や漫画といった静的コンテンツのいいとこどりをすることが可能です。
これらの長所と製作のコストの安さからこのコンテンツは大きくなっていき、一時は二次元産業でも大きな力を持っていました。この時に活躍していたクリエイターの多くは今も他のコンテンツで活躍しており、
Angel Beats!といったアニメで脚本として活躍している麻枝准
冴えない彼女の育てかたで人気を博した丸戸史明や深崎暮人
この他にも同人やソシャゲ、ラノベなど多くの分野で活躍している方を輩出してきたコンテンツです。
現在はこれらの人材流出が原因で衰退したと言われていますが、まだまだ才気あふれたクリエイターは多く残っており、一風変わった作品や王道な物語など幅広い作品が生まれています。
4.ノベルゲームのジャンル
ここまで長々とエロゲやノベルゲームの詳細を語ってきましたが今回はどのような作品があるのかについて語っていこうと思います。
一般的にはエロゲを分類するときには
・シナリオゲー
・抜きゲー
この3つで評価されることが多いと思います。ただ私自身はこの分類の仕方はあまり適切ではないと考えています。ノベルゲームという名の通り、小説に近いためシナリオゲーの中にも傾向の違いは多く存在し、同列に並べて評価することは難しい場合も多くあります。なので今回は私が考える分類である
・キャラクター特化ゲー(C特化)
・関係性特化ゲー(R特化)
・ギミック特化ゲー（G特化)
・世界観特化ゲー(S特化)
・抜き利用特化ゲー(H特化)
この5つで考えていこうと思います。
・キャラクター特化ゲー(C特化)
まずはC特化のゲーム、これは一般的にはキャラゲーと呼ばれる作品が多く分類されると思います。
有名どころではゆずソフトや後期SAGAPLANETSの作品が挙げられます。
これらの作品の長所と短所を挙げると次のようになると思います。
長所:キャラクターの可愛さに注力したシナリオ、見た目で分かりやすいキャラクターデザインの良さ、ユーザー層の広さ
短所:シナリオの単調さ、気に入ったヒロイン以外は攻略意欲が落ちやすい
C特化のゲームの多くに言えることですが、キャラクターの可愛さを強調することに特化しているためかなり退屈なシナリオになります。急展開があったとしても突然のシリアスになりやすく、キャラクターの可愛さを削ぐ結果となりあまりいい評価を得ないということも現実としいて存在しています。いわゆる画集と呼ばれている作品の多くがこの分類に当てはまることが多いのも事実です。
しかしキャラクターデザインというゲームをしなくても評価がしやすい部分に特化していることもあってユーザー層も広いです。売上上位を占めるのはこのような作品が多く、中古作品の価格も比較的安いことが多いため初心者はこの部分に特化した作品を購入することをお勧めします。
ただしシナリオに関しては期待することは厳禁です。面白い作品を読みたいのなら次の分類の作品を読むことをお勧めします。
2.関係性特化ゲー(R特化)
ここに特化している作品はかなり少なかったりします。
有名どころではねこねこソフト作品や先月発売したアオナツラインがいい例になると思います。
これらの作品の長所と短所は次のようになると思います。
長所:キャラクターへの思い入れが強くなる、関係性の変化に焦点を当てたシナリオを作ることができる
短所:どこまで関係性を書くかによって作品の出来にブレが生じる、ヒロイン1人に思い入れを持ち過ぎて次に進めない
R特化のゲームとC特化のゲームの大きな相違点はヒロインを含む多くのキャラクター達の負の側面さえもしっかり描くことが多いという部分でしょうか。このためシリアスになり過ぎたり重い展開になる場合もあります。またそれらのシリアス描写を避け過ぎてただイチャイチャしているだけに終始してしまう場合も存在し、シナリオが単調になることも否定できません。
しかしこれらの作品はキャラクター達への思い入れを特に深めることができるという点は大きな長所であり、ハマる人はどこまでもハマります。シナリオとしては青春ドラマなどに近いものになることが多いです。最もハマりすぎて次のヒロインに進めることも次のゲームを始めることもできずに延々と同じゲームを続けることになる場合もあります。
重い展開などが多くなるので受け入れない人も多い場合もありますが一番キャラクターを人間らしく描くことができているジャンルであると考えています。またC特化のゲームと比較すると出荷量が少ない場合が多く、良い評価を得ている作品は高値になってしまっている傾向もあります。これらの作品をプレイするときはどれくらい負の部分を書こうとしているのか、どのように展開させていくのかを確認するためにも体験版を購入前にすることも必須です。
3.ギミック特化ゲー(G特化)
こちらはそこそこの数があります。
例としてはアメイジング・グレイス、G線上の魔王といった作品が挙げられるのではないでしょうか？
これらの作品の長所と短所は次のようになると思います。
長所:ギミックが判明した時のカタルシス、注力している点がわかりやすいシナリオ
短所:ネタバレ厳禁のため感想を参考にしにくい、ライターの技量がもろに出る
G特化のゲームに関しては展開方法やトリックが少しでもネタバレされてしまうと評価が天と地の差ほど変化してしまいます。これはそのトリックが明かされる瞬間のカタルシスとそれまで仕込んできた伏線に気づいた瞬間の衝撃による評価に頼る部分が多いからです。
またこれらの伏線をいかに隠すのかもライターの腕次第であるため、上手くいかない場合グダグダの超展開祭りになってしまうことが多いです。
以上のことからG特化の作品を探すのはかなり難しく、有名どころばかりが有名になりやすいのも事実です。これらに特化している作品を探すならライターの過去作を見たうえでどのような評価をされているか、ギミックに特化した評価をされているかを参考にすることが一番いいと思います。
4.世界観特化ゲー(S特化)
世界観、つまり設定部分に特化した作品群です。
例としては昨年非常に高評価を得た抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか？や昨年完結したランスシリーズが挙げられます。
S特化の作品の長所と短所は次のようになると思います。
長所:非日常的な世界観を楽しめる、現実から乖離している部分が多いためやりたい放題できる
短所:世界観に没入できないと楽しめない、世界観にこだわり過ぎてエロゲである必要が薄くなる場合がある
この作品は現実とは大きく乖離した世界観を使った展開や行動が長所であり、一般作品でいうファンタジー作品やSF作品に多く見られます。このため18禁故のスプラッター描写やHシーンなど現実ではありえないような物語を描くことができることが大きな長所です。
しかし全く別の世界観を形成するということはそれに対する説得力も必要となります。このための世界観の説明や演出に力を入れすぎてエロゲである意味を見失い、Hシーンが非常に雑になる傾向があります。また説明不足でも説明過多でも世界観への没入感を薄める要素になりやすく、没入できない場合置いてきぼりとなり、楽しめない可能性も出てきます。
このように世界観への没入感が最も重要な要素となっており、その形成が上手くいった場合は大きな展開をしやすく、スピンオフ作品が多く出ることも特徴の一つです。ここに特化した作品もどのような世界観なのかを確認するという意味でも体験版をプレイすることをお勧めします。
5.抜き利用特化ゲー(H特化)
説明いる？
抜きゲーです。Hシーンに特化しているのでキャラクターの描写やシナリオに期待しないでください。完全にエロいかどうかで評価が分かれます。
以上5点で分類してきましたがここで重要なのはそこだけに特化した作品は実際はほとんど存在しないという点です。
例えば2017年に高評価を得た金色ラブリッチェはＣ特化ながらR特化部分にも注力した結果高い評価を得ることに成功しました。
このように一見一つの要素にだけに見えても他の要素にも大きく注力している場合も多く、簡単に分類することは難しいです。このためこの5つの要素をパラメーター的に評価してみると他人とのイメージの誤差を減らしやすいのではないかと考えています。
さてここまでエロゲについて語ってきましたがいかがですか？
エロゲと言っても千差万別です。このため誰かが高評価をつけた作品も自分には合わないということは当たり前のように起こります。ならどのように選びどこで購入するとよいか、次回はその部分についてお話していこうと思います。
次の更新はきっと4月14日!
